【言霊ラジオ】#4 『九十九神』~つくも神って何ですか?
- 亞空 淺田
- 2 日前
- 読了時間: 5分
九十九神
全てのものには「霊」があります。
それは、モノが生まれる際に、必ず先に「思い」があるからです。
はじめに「こんなものがあったらいいな」という「思い」があり、それがやがて試行錯誤を経て「カタチ」が出来上がります。
つまり、「カタチ」が生まれる前にすでに「潜像世界」では「モノの霊」が現出しています。
その「モノ」がどういう思いで、どういう意図で、どういう経緯で「想像」されたのか・・・というのが「霊」の本質です。
日用品、おもちゃ、電化製品、車や飛行機、機械など・・・・
それが「どんな思いから始まったのか」という「思い」が「霊」の本質です。
手作りのものであれ、工場製品であれ、必ず「最初の思い」はその「モノ」の魂となって存在しています。
ひとつひとつの手作りであれば、そこに制作者の「思い」も加味されて、さらに「霊」は色濃くなります。
そして、それらの「モノ」を使う人の思いも加味されていきます。
その「モノ」をどのような「思い」で使っているのか・・・という「思い」が加わって、「霊」の姿カタチは変わります。
モノのカタチが生まれる「魂となる思い」に、使う人の「思い」が肉付けされていくわけです。
当然、毎日毎日「使う」モノの方が肉付けされるわけです。
毎日「無意識的」に使っているのか、それとも「意識」して使っているのか・・・
それでも「肉付け」は変わります。
モノの「魂」である「最初の思い」と、使用者の「毎日の思い」が一致して、その「モノ」が最大限の完成度で使用される時、その「霊」は「本望」をとげることでしょう。
それは「制作者」の「愛」と、「使用者」の「愛」が「結ばれる」ということです。
魂という「火」と、霊という「水」が結ばれた時、そこには新たな生命が誕生します。
それを【九十九神】と言います。
「九十九」とは「火」と「水」の「結び」を現わしている言葉。
ゆえに【九十九神】と言うのです。
始めに、「全てのものに霊が宿る」と言いました。
それは「言葉」も同じです。
それを「言霊」と言うわけです。
「言霊」は言葉になる前の思い・・・と、前回の言霊ラジオで言いました。
その「言霊」は「言葉」が発せられた時にも当然「言葉の霊」として付随しています。
現代の人は、言葉に付随する「言霊」をあまり見ません。
だから「言葉」に振り回されます。
「言葉」に振り回されるということは、その言葉の「言霊」に「振り回す」という意図が、思いがあるわけです。
その意図や思いが「霊」となって、言葉を受け取った人の「霊」を振り回すわけです。
「霊」を振り回すとは「思い」を振り回すことと同じです。
反対に、振り回そうなどと思わない「素直」な言葉に振り回される人もいます。
それは、受け取る方が「振り回されたい」と思っているからです。
自分から振り回されに行く人もいます。
それは、言葉を、言霊を受け取る時に、受け取る人の「霊」が言霊を「歪めて」いるからに外なりません。
そういう時、心が歪んでいる、心が曇っている・・・という言い方をします。
霊のカタチがレンズのようなものと思うとわかりやすいかもしれません。
レンズが歪んでいたり曇っていたりしたら、見える姿は本来のそれとは違うものになる。
そういうことです。
あなたの「霊」はあなたの「思い」のカタチです。
常日頃の思いが姿となっているのです。
それは、思いの他「モロ」に現れているものです。
見る人が見ればわかります。
姿かたちを整え、化粧をして彩っても、「思い」は姿となり「霊」となり肉体に重なっているのですから・・・・
人の「霊」もいわば【九十九神】のようなものです。
あなたの魂はあなたが生まれた「意味」に紐づいています。
あなたという一人の人間が生まれるに際して、様々な思いや意思や意図が「魂」をカタチづくっています。
そこに、生まれたあなたの「思い」が肉付けされ「霊」となっているわけです。
生まれたあなたという「その肉体の使用者」の思いは「水」です。
「魂」の「思い」は「火」です。
もし、あなたが「魂」と一致した思いで肉体を使用するなら、その時「火」と「水」は結ばれて「神」となるでしょう。
伊邪那岐命が黄泉平坂から逃げてきて、黄泉と現世の境である「地引の岩戸」の手前で【菊理姫】が現れました。
この【菊理姫】は【くくり姫】とも言います。
あの世とこの世の境で【くくる姫】・・・つまり【結ぶ姫】です。
「くくり」とは「99(きゅうじゅうきゅう)」
つまり「九十九(つくも)」です。
菊理姫は「白山(はくさん)」に祀られています。
なぜ「白山」かというと、「白」という字は「百」という字から「一」を引いたもの。
つまり百引く一は99(きゅうじゅうきゅう)
九十九(つくも)です。
九十九の理(ことわり)と書いて「くくり」
【くくり姫】とは「霊とモノ」を結ぶ神様です。
「魂へ回帰する」という言葉がよく言われるようになりましたが、人が「魂」へ回帰するということは「魂の意図」と「人の思い」が一致して結ばれて【九十九神】となるということです。
それは、自分という存在を「魂」の意思、意図と「一致させる」ということ。
現世の「動くモノ」「意志あるモノ」として、自分という「霊」が「魂」の意思と合致した時、人は【神】へと進化します。
自分が存在しているからには、そこには生まれる前の思いがあり、意思があり、意図があり、そして「愛」がある。
だから「存在」しているのです。
あなたの今の思いが「魂」からかけ離れているなら、伊邪那岐命はけっして地引の岩戸を開かない。
それは伊邪那岐命からすれば「醜い穢れ」そのものだからです。
魂から遠く離れた思いや意思を掃除洗濯して綺麗にして、魂に添った純粋な霊の姿となった時、地引の岩戸は開かれます。
そして、伊邪那岐命と伊邪那美命は巡り合い、結びの神であるくくり姫のもとで結ばれて、新しい【神】が誕生するのです。
あなたという新たな【生き神】【九十九神】が誕生するのです。
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