『燃え尽き症候群』と肝・腎疲労
- 亞空 淺田
- 4月23日
- 読了時間: 7分
更新日:6 日前

燃え尽き症候群はストレスによって起こる・・・・
そのように捉えられており、だから「精神疾患だ」となるわけで・・・
では「ストレス」とは何なのか?
それは「精神面」だけのものなのか?
肉体も当然「ストレス」は受けるわけで、ではその時々でどのような日常を自分が送っていたのかを振り返ると見えてくるものがあります。
対人的、対外的要因にばかり目が行きがちですが、思考や行動はどうだったか?ということを改めて見ると発見できるものがあります。
子供の燃え尽き症候群
私のクライアントで、長男さんが「中学受験」を受けた方がいらっしゃいます。
クライアントはその子のお母さんです。
そのお母さんはいつも疲れており、いつもかなり無理をしている人でした。
睡眠障害を患っており、いつも躁的状態(交感神経過敏状態)なところがあります。
睡眠薬を飲んでも眠れず、その量を増やしても眠れず・・・
だから、ある時車で事故を起こしてしまいました。
かなり裕福な家庭なのですが、その「裏側」というものを見て心配していたものです。
何故そうなっているのか・・・という理由も明白でした。
だからいつも「施術」と同時にアロマも提供していました。
ブレンドの中には必ず「マジョラム」を加えていました。
それは『痛み』を和らげる処方とでも言いましょうか・・・
彼女は常に「傷んで」いることを誤魔化し続けていたからです。
この「眠れない」方を「眠らせる」ために『ヒーリングヘッド』の施術は誕生したようなものです。
その方の息子さんが「中学受験」を頑張っていると聞いていました。
そして、時々彼にも合い、施術をするといつもぐっすり眠って、朝まで起きないほど熟睡していました。
ある時、その子を施術していた時、『あれ?もしかして肝臓が疲れているのか?』と思ってお腹の上から肝臓に触れてみたところ、彼が『痛い』と訴えました。
「肝臓疲労」を起こしていたようです。
受験で無理をし過ぎているのかな?と思い、お母さんに彼の日常を聞いてみると・・・
食事が肉などタンパク質ばかり・・・なのがわかりました。
旦那さんが「とにかく肉を喰え」と言って、いつもいい肉をたくさん食べさせていた・・・とのことです。
ただでさえ受験で肝臓が疲労するような状況下で、さらに食事で攻撃を加えているようなものです。
要は「タンパク質分解」がまともに出来ていない・・・
それは「胆嚢」の消化酵素も十分に供給されない・・・ということです。
『なにをやっているんですか!』
少し叱っておきました。
『肝臓が疲弊していますから、食事は気を付けてください。タンパク質に偏り過ぎているのを変えた方がいいですよ。』
そして、昔ながらの「食養」でタンパク質分解するものを教えてあげたわけです。
その後、彼は受験に受かって晴れて中学生になりました。
ですが、その2か月後に合った時は『引きこもり』になってしまっていたのです。
受験に受かって嬉しそうな顔をしていて『よかったね』と声をかけたばかりだったのですが、施術に行っても引きこもって出てこなくなってしまいました。
彼が受かった中学が嫌なわけではなく、本人は「行きたい」と心から思っているはずです。
でも「心」がそれについてこない・・・
「行きたい」思いと「行けない」という思いを二つ抱えてしまっているでしょう。
恐らく・・・いや、完全に「身体」が「心」の重しとなってしまっているのだろうと。
肝臓の疲労などはゆっくりと進行します。
だから気付きにくく、気付いたときはかなりひどい状態だと捉えた方がいいのでしょう。
ゆっくりと進行したのだから、回復も「ゆっくりと」でなければ回復しません。
一年がかりで「受験」で疲労したなら、少なくとも一年、もっと言えば二~三年かけて心身を養生する必要があるでしょう。
その後、お母さんは決心して環境を変えるために、子供を連れてスイスに住むことにしました。
疲労の根本原因である「お父さん」からも離れて・・・・
何も「お父さん」が悪いことをしたということではありません。
お父さんはお父さんなりに「善かれ」と思ってやったことでしょう。
ですが、だからこそ離れる方がいい場合もあります。
息子さんがお父さんを嫌っているわけではなく、むしろ「期待に応えたい」と思っているくらいですから。
でも、近くに居れば必ず子供に「口だし」をしてしまうでしょうし、息子さんも「聞いてしまう」でしょうから。
スイスに渡って半年ほどしたころ、お母さんから連絡があり
「息子も元気に学校に通い始めています」
と連絡があった。
『それはよかった。』
と同時に「息子も」ということはお母さんの方も良くなったのだな・・・と思った。
『肝』は「気力」というエネルギーが発動する場所です。
そこがやられると気力が湧かなくなり、萎えてしまう結果となります。
気が巡らなければ当然「蓄積」もされません。
「気」のエネルギーを蓄積させるのは「腎」であり、そこにエネルギーが供給されなくなれば、副腎も疲弊して「気力の蓄積」が出来なくなってしまうのは当然のことです。
この蓄積が無ければ「肝」は新たなエネルギー発動が出来なくなってきます。
だから「肝」を養うと同時に「腎」も養わなければなりません。
だから余計に長い月日がかかってしまいます。
受験で頑張る・・・ということは善いことですが、身体の臓器という「エンジン」を常に高回転で保ち、ブーストし続けるために「ニトロ」を混合するように栄養価の高いものばかり与え続けるという「愚」を犯してしまったということでしょう。
そりゃあ壊れるよ・・・
ということです。
明治維新のころ、日本にやって来たドイツの学者が「飛脚」を見て驚愕したそうです。
「どうしてそんなに走り続けられるのか?」
そのことに驚嘆したといいます。
飛脚の食事を聞くと「おにぎり」や「たくあん」などを食べているだけとのこと・・・
そしてその学者は飛脚に「もっと走れるように」と言って『肉』をたくさん与えたそうです。
そうすれば当然筋肉も付くし、身体は作られる・・・という理屈からです。
それはある意味事実でしょう。
ところが、飛脚は全く走れなくなってしまいました。
そして、食事をもとに戻すと今まで通り走れるようになったとのことです。
「食」というのは単なる「栄養素」だけのものではありません。
そのものが持つもっと複雑な要素があります。
米にもタンパク質は含まれます。
味噌汁を飲んでもタンパク質は摂取されます。
ちなみに、「塩」が高血圧を引き起こす・・・と言ったのもドイツの学者です。
今ではそれは「間違い」であったことがわかっていますが。
でもなぜか日本人は「減塩」という幻想に取り憑かれています。
そのおかげで日本人は「ミネラル不足」となってしまっているわけです。
今、「常識」とされているものをきちんと精査して見直せば、様々な「病気」というものは「病気」ではなくなると思います。
「常識」の中には様々な「思い込み」なども含まれていますから・・・
受験を終えた彼が「燃え尽き症候群」になったことと、前述の「飛脚」が私には重なって見えます。
飛脚の「走れなくなる」というのも、様々な要因が重なり「走れない」となっているのでしょう。
長距離を走り続けるには「肝」「腎」の「気力」というエネルギーは非常に大切です。
ドイツの学者は「肉体」という「器」だけを見て「巡り」というものが見えていなかったのでしょう。
受験を終えた彼は、その後も「進学」して走り続けなければならないのですから、「合格」をゴールに定めて全力疾走させれば、燃え尽き症候群になるのは「必然」と言えるでしょう。
つまり、「燃え尽きた」彼のその後の状況は「正しい」ということです。
病気でも何でもありません。
ゴールめがけて「走り切った姿」というだけです。
ゴールめがけて「走る」ことと、ずっと「走り続ける」ということは別物です。
そこを間違えたのに、「走れなくなった」ことを「燃え尽き症候群」などと言っている・・・・ということに尽きるでしょう。
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