Re;Quiem Uzume〈天鈿女〉
- 亞空 淺田
- 4月6日
- 読了時間: 5分

Re;Quiem Uzume のブレンドは『天地五龍相克』では『氣』にあたるブレンドです。
固く閉ざした心の岩戸を押し開いて『気付き』をもたらす・・・・
天鈿女(アメノウズメ)が天の岩戸を開いたように、閉ざした心に『気付き』を与えるようブレンドを調合しました。
Uzumeブレンドのメインは「イランイラン」が醸し出す鮮烈な香り
およそ「香り」というものに気付きにくくなった「閉ざされた心」の人が唯一気付くことが出来る香りが「イランイラン」です。
その華やかで甘い香りを、天鈿女が美しく舞い踊るように、艶やかで、優しく、楽し気な印象の香りに仕上げてあります。
「気付く」だけでは扉は開かれない。
「気付き」「興味を持ち」「恐れを抱かず」「安心できて」ようやく心は動きだします。
ですから、イランイランで開いた岩戸から、心地よい、楽し気な、安心できる香りをも届けなければなりません。
「香り」というものにようやく気付けた感覚は、徐々に「香る」ということを思い出しながら「嗅覚」を取り戻していき、イランイランの香りの後ろに隠れた様々な「優しさ」「甘さ」「刺激」を受けて、徐々に『巡り』を取り戻していきます。
そうして自らの「心の壁」に気付き、そこから『出よう』という勇気へと繋がっていくのです。
Re;Quiem Uzume 香りの物語
ある日のベッドルームにて・・・
「おや?」
眠りに就こうといつものように アルコールに伸ばした手を思わず止める
部屋中に香っている甘い花の香りに 今さらながらに気付いたからだ
ぐるりと部屋を見渡すと ベッドサイドに一輪の黄色い花が・・・
たった一輪なのに 部屋の隅々まで香りが漂っている
「そういえば・・・」
記憶をたどると いつもベッドサイドには一輪の花が飾られていた
しかし ほとんど目にも入らず 記憶にも残らず・・・
だが 確かに毎日違う花が飾られていた・・・ような気がする
忙しさからなのか ただただ逃避していただけなのか
周りの変化などに全く気付かずにいた
忙しさの中で硬い殻に籠もり 些細な思いで狭くなった心に溺れていたのか
その溺れる息苦しさから逃れるため 睡眠薬のようにアルコールを流し込む
そんな毎日の繰り返し
まるで機械のように 同じことを繰り返していた
それでも・・・花は毎日取り換えられていたと思う
気付きもしないのに・・・
それとも、ただ単に花が好きなので毎日飾っていたのか?
だが、今日の花はいつもと違い強烈に主張していた
固く閉ざした心の殻を突き抜けて香るほどに・・・
その花のすぐそばで寝息を立てている横顔は
無邪気で安らかだ
花の香りに包まれて どんな夢を見ているのだろうか・・・
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人はいずれ死する・・・
喜びも 哀しみも 憎しみも 苦しみも
希望も 絶望も 何もかも置いて行く
死すれば、全てのものを手放して この世に置いて行く
なんにもあの世に持っては行けない
言うなれば この世のものは 何もかもが「置いて行ける」ものばかり
目が覚めて 夢を忘れてしまうように
死すれば浮世の現実など全て忘れてしまう
浮世の現実とは?
それは様々な生命の「想い」の結実
様々な生命の「想い」が様々な物質を動かして 現実世界に色とりどりの模様が描かれる
描かれた模様たち その「絵」が生命の結実
そんな「絵」に一喜一憂しているのが人生
喜びも 哀しみも 希望も 絶望も
全てはただの模様 一枚の「絵」
希望に満ちた「絵」も 絶望に打ちひしがれた「絵」も
どちらも同じく一枚の「絵」
ただの絵ならば 夢の如く眺めて味わえばいい
持っているようで持っていない・・・
それが この世の「現実」という名の「絵」
夢と同じで ただ眺めるしかない
幼き夢 青春の夢 背伸びして見た大人の夢
そして ありきたりな夢
楽しい夢もあれば恐れに満ちた夢もある
でもそれは・・・・
様々な生命の想いが描いた「絵」に酔いしれて見た「夢」にすぎない
現実とはそんな夢の如きもの
昨日の苛立ちも 今日の憂鬱も 明日の希望も 全ては絵に酔いしれて見た〈酔夢〉
そんなものを いつまでも握りしめているから 心はいっぱいで溢れかえる
溢れかえったものを外に漏らさないよう頑丈な壁を作り、やがてその壁の中に閉じこもるようになる
握りしめるのをやめたら その手からあっさりと離れてゆく
そうすれば心は空っぽになり 壁も必要無くなる
必要な時だけ握りしめて 必要無くなれば手放す
空いた手のひらに 再び新しい「夢」を握りしめるために
十二分に夢に酔いしれたなら
目覚めて 手放して 忘れてしまおう
四十九年 一酔夢 一期栄華 一杯酒
・・・上杉謙信辞世句
長い長い歳月も 一夜の酔いしれた夢にすぎない
ほんのひとときの栄華の味わいは 一杯の美酒
味わいながら飲み干してしまえばいい
そして眠り 目覚めた時には 真っ白な 空っぽの心で 再び浮世の夢を眺め酔いしれよう
今日 死して 明日 生まれる
毎日 毎瞬 すべて一酔夢
心を空に 手放す
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気付けば つまらないものを必死になって握りしめていたと思う
大切なものを守るためにしていることが
いつしか大切なものは置き去りにして、「守る」ことを大切にしていたことに気付く
大切なものを大切にする
そんな単純なことをいつしか忘れてしまっていた
無邪気な寝顔・・・
だが、その奥に隠された奥深い優しさを今さらながら感じる
無邪気に眠る横顔は
甘い花の香りに包まれて 何を夢見ているのだろう
脳裏に映っているのは 美しい常世かな?
大きく 深く息を吸い込んで吐き出しすと 花の香りが全身に巡っているようだ
たまには 安閑とした時をすごそう
せっかくの優しさと
花の香りに包まれて・・・・・・
Re;Quiem Uzumeが呼び起こす『気付き』の連鎖
天鈿女が舞い謡うような香りが、幾重にも閉ざされた心の扉を一つずつ丁寧に開いてゆくでしょう。
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