Re;Quiem Maria〈真理亜〉
- 亞空 淺田
- 4月6日
- 読了時間: 4分

Re;Quiem Mariaのブレンドは『天地五龍相克』では『風』にあたるブレンドです。
止まってしまった心に「息吹き」を吹き込み『再生』へと後押しをする・・・
「聖母Maria」とは、日本の女神『玉依姫』の映し鏡
それは「原点回帰」することで「再誕」する生命の芽吹きの風
【神】という自分の中心と「結ばれる」ことで誕生する自己であります。
それは本来の自分への回帰であり、回帰した自分から新たに生まれる息吹きです。
Mariaブレンドのメインは「ベルガモット」を重ね合わせた「マジョラム」が醸し出す慈しみの香り
心が痛み、身体が痛んでいるのは、自分に無理を強いている自分
自分が痛め、自分が我慢し、それが当たり前となって、その螺旋の巡りから抜け出せなくなった心に「慈しみの風」を送り込んで、分離した自分を気付かせる香りです。
痛みを鎮めて癒す「マジョラム」がメインとなり、「ベルガモット」が傷を塞ぎ、さらに重ねた「レモン」の効果も加えて『心の中心』へと自己を回帰させてゆきます。
甘く、優しく、さわやかで、暖かい。
それは、聖母が与えてくれる『赦し』の香り
傷んだ自分、傷つけた自分の双方が『赦し』合い、再びひとつに結ばれる・・・・
Re;Quiem Mariaはそんな香りです。
Re;Quiem Maria 香りの物語
線香花火
『どうして線香花火してるんだっけ?』
まだ夏の暑さが残るマンションのベランダで、ひとり、ぼ~っとしながら線香花火の火花を見つめている
オレンジ色の小さな灯玉から飛び散る火花を見つめながら、数分前に最初の線香花火に火を点けた理由さえ忘れてしまっていた
ベランダに飾られたハーブの鉢に咲いている小さな白い花のように、控えめな線香花火の小さな火花
『だから線香花火は好き』
チロチロと小さく燃える花火の灯火は、小さな「嫌な事」を忘れさせてくれる
寂しさと、悲しさと、苛立ちと・・・・
そんな小さなつまらないことを忘れさせてくれる
そして、ほんの少し高揚している自分もいる
その小さな温もりが だけど触れたら火傷する小さな灯火が
まるで自分が押し殺してきた自分の心のようで・・・・
一生懸命に主張しているけれど
それは儚く消えてゆく
そんな自分自身の心を見ているようで
だからいつも灯玉から飛び跳ねる火花を見ながら
『もっと頑張れ』
応援している自分が居る
あぁ、これはきっと自分と向き合う時間なんだ
自分で自分を忘れないようにするための時間なんだ
いつも押し殺している自分と
この時は語り合ってる
だから、線香花火を好きな自分は
いつも押し殺されている自分のほうなんだ
押し殺している自分も
押し殺されている自分も
どっちも自分
自分はひとりじゃない
そう思える
だから、少し寂しさも癒える
押し殺している私も
押し殺されている私も
痛いよ
ごめんね
それなのに、温めてくれてありがとう
今日は
何本目かの線香花火が燃え尽きる時
ありがとうが言えた
いつもはここで止めるけど、今日はもう一本手に取って火を点けた
『ありがとう、思い出したよ』
私とあなた 入れ替わらなきゃならないよ
あなたが私で 私があなたで
そうすれば
きっと一つになれるよ
もう別々のままでいるのはやめよう
あなたが私になるの
だって、もともとあなたは私だったんだから
私はあなたの後から生まれた「わたし」だから
あなたを押し殺すために生まれた「わたし」だから
だからあなたが私に戻るの
これ以上あなたを押し殺す私で居たくない
痛いよ
あなたもそうでしょ?
子供の時
私で居たかったはずのあなたを「わたし」が私から引き離した
そのために「わたし」が生まれた
そして
あなたを私から遠ざけておくために「わたし」は私に居座って来たんだから
でも
もう終わりにしよう
「わたし」も私だから
そして「あなた」でもあるから
だから
終わりにしよう
あなたが私に戻って
「わたし」はあなたの中に溶けてゆく
今までごめんね
辛かったね 痛かったね 寂しかったね 悲しかったね
ごめんね
そして ありがとうね
これからは
私になって「わたし」を使ってくれればいい
だから
一緒にがんばろう
そこまで心の中で語ると
すっと灯玉は落ちて消えた
部屋に戻りベランダの掃き出し窓を少し開けたまま
そのままベッドにもぐりこんだ
薄暗い部屋の天井を眺めながら
どこかいつもと違う風景に見える
花火の残り香に混じって
小さな白い花の微かな香りも入ってくる
深呼吸して「名残り」を胸いっぱいに吸い込んだ
目を閉じることも忘れて
見回した部屋
いつもと同じものが
何故か新鮮に感じられた
きっとこの部屋のように
明日の私もどことなく違うのだろう・・・
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